ガラスが医療機器に最適である5つの理由
1. 優れた光学性能
フレキシブルで堅牢なライトガイドの基礎となる光ファイバにはガラスが使用されており、最高の光伝送性能が期待できます。 ガラスは演色性が高いため、ファイバやライトガイドに入射・出射される光の波長はほとんど変化しません。 これにより、医療従事者が組織を見る際に最も忠実な色を得ることができます。 ガラスファイバの開口数は最大1であるため、光が繊維内に入り込み、ファイバを経由して視野が広くなり、小さなファイババンドルでも、より広い範囲を照らすことができます。 一方、プラスチックファイバは素材の特性上、最大開口数が0.5にしかなりません。
2. 丈夫でありながら曲げやすい
ガラスは独特の強さを持ちながら、薄くすると柔軟になります。 この特性を活かして、ライトガイド用のガラスファイバは直径30ミクロン(ヒトの髪の毛の半分未満)という細さで作ることができます。 これら小さな径により、内視鏡の柔軟な動きに必要な狭い曲げ半径を実現しています。 一方、非常に細いプラスチックファイバは、典型的には500ミクロンの直径を持ち、ほとんどの場合、1mm(1,000ミクロン)以上の大きさです。 イメージング用途では、ガラスファイバ1本1本の直径を4ミクロンまで小さくすることができ、高い画素解像度が得られます。 これは、詳細で鮮明な画像が、ファイバ束の端から端まで伝わることを意味します。
3. 高温での安定性
ガラスは最高 350°C の温度で安定性を維持するため、柔軟なガラスファイババンドルや堅牢なライトガイドは、134°C に達するオートクレーブ滅菌に容易に耐えることができます。 このため、ガラスは、歯科用機器や内視鏡など、洗浄・滅菌が必要な再利用可能な機器の光伝送に最適です。 プラスチックファイバを使用した機器は、一般的に80℃までの温度にしか耐えられないため、オートクレーブにかけることはできません。
4. 選べるデザイン
ガラスファイバは直径が非常に小さいため、小さなファイババンドルの中に多くのシングルファイバを充填させることができます。 これにより、小さなファイババンドルで複雑な形状を実現することができます。 シングルユース内視鏡の光源として使用する場合、光ファイバは直径が小さいため、カメラの周囲に配置することで、カメラの色飽和を抑えることができます。 またガラスファイババンドルは、1つの光源から枝分かれした光路に沿って、複数の場所に光を届ける際にも使用されます。 赤、緑、青のLED光をガラスファイババンドルに混ぜることで、出射端で均質な白色光が得られます。 ガラスファイバは非常に細いため、太いプラスチックファイバに比べて、一定の直径の束内に収まる本数が多くなります。 ファイバの数が多いほど、光の出力が均一化されます。
5. 高い耐化学薬品性
ガラスはその高い耐薬品性により、洗浄剤、洗剤、酸、塩基、溶剤、接着剤などに反応しません。 そのため、ガラス製品は長持ちし、清掃も簡単に行えます。 またガラスは不活性であるため、体の免疫反応を引き起こすことがなく、アレルギー反応の心配もありません。 一方、プラスチックは様々な化学物質と反応し、時には体内で免疫反応を引き起こすこともあります。 多くのプラスチックは、プラズマ滅菌などの低温医療機器の工程で使用される過酸化水素に反応してしまうため、使用できません。
ガラスファイバは光をどのように伝送しますか?
ガラスファイバはコアガラスから引き延ばし工程を経て製造され、通常はさらにファイババンドルに加工されます。 ガラスファイバは、ガラス壁となるクラッド部と光を通すコア部から構成されています。 いわゆる全反射の原理を利用して、光がファイバの前方に向かってできるだけロスなく伝送されるようになっています。
つまり、光はクラッドとコアの界面で屈折することなく、完全に反射されます。 これはクラッドがコアよりも低い屈折率を持つ場合に達成されます。 光がクラッドに当たる最小臨界角(ファイバーの最大開口角でもあります)まで適用されます。