ムーアがやってくる:ショットはガラス基板ポートフォリオを強化し、 AI時代に向けた先端半導体パッケージングを実現
2023年10月17日, マインツ, ドイツ
- ショットは、ガラス基板ベースの半導体アドバンスドパッケージングに対するチップ業界のニーズに対応するための3つの行動計画を発表
- 本計画は、製品開発、最適化、投資の加速を図り、需要の増加に対応
ショットは、半導体パッケージングの未来はガラスから始まると考えています。ショットのDr. フランク・ハインリヒト取締役会会長(CEO)は、本社の半導体業界に対するコミットメントを強調するとともに、需要の増加に対応するためにすでに講じている対策について、次のように述べました。「本日、当社はアドバンスドパッケージング向けガラス基板の需要増加に対応するための行動計画を発表しました。本計画は、研究、アップグレード、投資という3つの重点ポイントに分かれています。当社は現在、業界の主要ステークホルダーの方々とのディスカッションを踏まえて製品開発を加速させており、半導体業界の研究開発チームが必要とする高品質な基板を、すぐに供給できるトップの地位を確立しています。」
本計画は、半導体パッケージングの設計および市場に直接的な影響を与える以下の点に対応します:
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製品イノベーション: 半導体業界向けの、多様な用途に適したショットの革新的な主要素材は、すでに顧客の皆様にご利用いただいています。さらに、最先端の半導体アドバンスドパッケージングにおける多様な用途に対応するカスタマイズされた独自の基板が、間もなく市場投入できる段階に入りました。
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既存基板のアップグレード: ショットは過去数年にわたり、半導体業界を対象としたガラス基板のイノベーションの一環として、常に最適化と開発を行ってきました。例として、定期的な寸法公差の向上、卓越した平坦性の確保、最大限の汎用性を発揮するフォーマット、板厚レンジ、さまざまな特性を持つ素材の開発などが挙げられます。ショットは、将来の業界要件に対応できるよう、今後もアップグレードと最適化を続けていきます。
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溶解・加工の設備の対応可能容量および性能の増強: 増大する需要にシームレスに応えるためには、大規模な設備が必要となることを念頭に、ショットはすでにインフラの拡張を決定しており、世界中の施設の対応可能容量と性能を継続的に増強していく予定です。
ショットの特殊板ガラス&ウェハー部門責任者であるステファン・ヘルゴット氏は、次のように述べています。「素材のイノベーションにより、アドバンスドパッケージングは大きく進化できます。ガラスは半導体製造に明らかなメリットをもたらす特性を多く備えているため、特殊ガラスは、アドバンスドパッケージングを次の段階に引き上げる可能性を秘めています。」
熱的特性や機械的特性、あるいは幾何学的特性における非常に優れた平坦性といったガラス独自の特性が、半導体パッケージングにおけるイノベーションや新製品開発を牽引しています。これらの特性により、半導体のエキスパートは、卓越した性能と柔軟性を備えたハイエンド半導体パッケージングを実現することができます。
ショットはすでに、アドバンスドパッケージングにおける特定の用途向けに、幅広い製品を提供しています。これには、半導体パッケージング用ガラスパネル (D263® T eco, BOROFLOAT® 33, AF 32® eco など) や、半導体製造における消耗品キャリアウェハーとしてのガラス (AF 35 G製やBOROFLOAT®製など) が含まれます。
基盤だけではなく、ショットは数十年にわたりコンピューターチップの製造に貢献
半導体業界向けのガラス基板分野における最新の技術革新に加え、ショットの製品は数十年にわたりチップ製造業界において重要な役割を果たしてきました。例えば、ゼロに近い熱膨張率を特徴とする製品であるZERODUR®は、世界の主要なリソグラフィー装置 の重要な構成要素となっています。これらのリソグラフィー装置では、シリコンウェハーと露光向けマスクの位置合わせを精密に行い、最も強力なマイクロチップ用の微細な構造を作る必要があります。フレキシブルライトガイドを含むショット製品により、このプロセスにおいて最高の精度を維持することが可能になります。これらの装置は世界中のすべてのファウンドリ(半導体チップの製造を行う企業)および垂直統合型デバイスメーカー(IDM)で使用されているため、地球上のほぼすべてのコンピューターチップがショット製の特殊ガラスに触れていると言えます。
ショットについて
ショットは、特殊ガラス、ガラスセラミックおよび関連ハイテク素材の分野をリードする国際的なテクノロジーグループです。140年近くの歴史をもつショットは、家電、医薬品、エレクトロニクス、光学、自動車、航空機など多くの産業のイノベーションパートナーです。ショットは世界30ヵ国以上に製造拠点および販売拠点を有し、グローバルに事業を展開しています。2022年度のグループ売上高は約28億ユーロ、従業員数は約17,200人です。ショットグループの中核企業、ショットAGはドイツ・マインツ市に本社を置き、カール・ツァイス財団の完全子会社です。カール・ツァイス財団はドイツで最も長い歴史をもつ民間財団のひとつであり、ドイ ツ最大の科学振興財団です。財団企業であるショットは、従業員、社会、環境に対する社会的責任を重視しています。