エレクトロニックパッケージ
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今後のトレンドのセクションでは、EPの革新的な技術を一足早くご覧いただけます。ショットが提供するパッケージングソリューションの詳細については、主力製品の概要をご覧ください。
エレクトロニックパッケージとは何ですか?
エレクトロニックパッケージとは、電子機器のパッケージングに関連する手順と、これらのプロセスから生じる最終製品またはシステムの両方に適用できる用語です。
これには、物理的な損傷や環境ストレス、電磁干渉から電子部品、半導体デバイス、およびシステムを保護し、正常に機能する構造やパッケージの設計と製造が含まれます。また、コンポーネントの耐久性を確保し、静電気放電(ESD)の防止などさまざまな機能を付与するために、最適な材料や設計を選択する必要があります。
今日、電子機器のパッケージは日常生活の重要な一部となっています。スマートフォンからコンピューターに至るまで、私たちが日常的に使用している電気部品、デバイス、システムにはすべて何らかのタイプのパッケージが必要です。
エレクトロニックパッケージが有用となるのはどのような場合ですか?
エレクトロニクスパッケージは、部品やデバイスの性能、安全性、長寿命にとって重要な要素です。環境上の脅威からの保護をはじめ、機能の最適化、安全性の確保、ユーザー体験の向上まで、さまざまな使用例をご覧ください。
エレクトロニックパッケージが重要となる一般的なアプリケーションにはどのようなものがありますか?
今日、電子機器のパッケージは、ウェアラブルデバイスから宇宙の過酷な条件に耐える衛星まで、ほぼあらゆる場所で見られます。すべての用途を1ページにまとめることできないほど、幅広く多様な分野で重要な役割を果たしています。
一般的な用途は以下の通りです:
エレクトロニックパッケージ技術
電子システムのパッケージにはどのようなれレベルがありますか?
電子システムのパッケージは階層レベルに分類できます。どのレベルでパッケージを行うかは、アプリケーションのニーズ、環境条件、サイズの制約、コストの考慮などの要因によって異なります。次の図のプラス記号をクリックすると、さまざまなレベルの詳細が表示されます。
ウエハレベル
レベル 0 - 集積回路 (IC) チップ
レベル 1 - コンポーネント/部品
レベル 2 - プリント基板 (PCB)
レベル 3 - モジュール
レベル 4 - システム
エレクトロニックパッケージにはどのような種類がありますか?
パッケージの種類は、シンプルなプラスチック製パッケージから特殊なセラミックまたはガラスと金属のパッケージまで多岐にわたります。パッケージの選択は、コンポーネントのタイプやサイズ、アプリケーションの要件、放熱性に関する留意点、電気的特性、製造プロセスなど、多くの要因によって決まります。もう1つの重要な問題は、完全な気密封止が必要かどうかです。
エレクトロニックパッケージはどのように作られますか?
エレクトロニックパッケージは、集積回路(IC)やその他の部品を封入し、保護するために設計された一連の製造工程を経て作られます。同時に、電気接続を提供し、適切な放熱性を確保する必要があります。
製造工程は以下のように異なります。
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従来のICパッケージ:
この場合、チップはキャビティを必要とせず、リードフレーム上に直接配置されます。各基材への電子機器の取り付けには、導電性エポキシ材料、共晶ボンディング、またははんだ付けが使用されます。その後、ワイヤーボンディングまたはフリップチッププロセスを使用して、封入された電子機器を導体に接続します。最後のステップでは、カプセル化またはオーバーモールディングを使用して、チップと封止材の間にガスが残らないようにします。 -
キャビティパッケージ:
特定のパッケージ、特に光学部品や微小電気機械システム(MEMS)に使用されるパッケージは、電子機器や光学部品を保持または取り付けるためにキャビティが必要な場合があります。フィードスルーは、電気信号と電力がパッケージを通過できるように統合されています。パッケージ内の環境は、室内気、ドライエア、ガス、真空のいずれでもかまいません。望ましい内部環境が得られると、キャビティは閉鎖または密閉されます。
従来のエレクトロニックパッケージ製造の主要なステップ
- 設計と材料の選択:
パッケージ設計では、コンポーネントのタイプ、サイズ、電力、環境を考慮します。基板や配線を含む材料は、温度管理部品とともに選択されます。 - 素子の取り付け:
半導体ダイ(チップ)は、接着剤、共晶チップボンディング、はんだ付けなどを用いて基板やパッケージに取り付けられます。 - ワイヤーボンディング:
素子は、細いワイヤー(多くの場合、アルミニウムまたは金)でパッケージのリード線に接続されています。このステップで、チップと外部との電気的接続が確立されます。 - 気密封止:
コンポーネントとワイヤーは、損傷と環境から保護するために保護樹脂で封止されています。気密封止の場合、金属製のカバーやキャップが溶接またははんだ付けされ、コンポーネントの周囲に気密パッケージを形成します。 - 試験と検査:
パッケージは、品質と性能を確保するために厳しい試験が実施されています。
以下の短いビデオで、各重要なステップを詳しくご覧ください。
エレクトロニックパッケージの今後のトレンド
エレクトロニックパッケージの開発を推進するものは何ですか?
エレクトロニクス業界の進化する要求を満たすためには、さまざまな要因が材料、設計、製造プロセスの開発に影響を与えます。技術革新の重要な推進力には、小型化、信頼性、エネルギー効率などがあります。機能とパフォーマンスを向上させる継続的なニーズがある一方で、コスト削減も同時に要求されています。
具体的なトレンドといえば、一つは半導体チップにできるだけ多くの機能を直接組み込むことです。例えば、システムオンチップ(SoC)やシステムインパッケージ(SiP)アプローチは、モバイルやIoTアプリケーション向けに、さまざまなコンポーネントや機能を1つのチップに統合するために使用されています。
複数の機能が1つのチップに統合されている場合、多くの個別のコンポーネントではなく、1つのデバイスのみをパッケージ化する必要があります。これにより、全体的なパッケージング工程が簡素化されると同時に、性能が向上し、消費電力が削減され、全体的なフォームファクターが縮小されます。
また、複数のチップを同時に処理できるウエハレベルで、より多くのパッケージング工程を行う取り組みも行われています。これにより、生産効率と全体的な費用対効果が最適化されます。また、従来のパッケージの必要性もさらに減らします。
エレクトロニックパッケージはどのように小型化の要件を満たすことができるのでしょうか?
小型化は、今日のエレクトロニクス実装技術を牽引する最も重要なトレンドの1つです。新しい医療機器であれ、最新のウェアラブル技術であれ、より小さく、より軽く、よりエネルギー効率に優れた部品の必要性によって、その限界は押し広げられています。
デバイスが小型化し続ける中、軽量かつコンパクトでありながら、優れた保護を実現するパッケージの新しいアプローチが開発されています。これには、スマートフォン内の限られたスペースの使用を最適化するチップ積層や3Dパッケージが含まれます。電子機器の小型化に伴い、ファブリックやフレキシブル基板にシームレスに組み込むことも可能になりました。これにより、バイタルサインの追跡や運動能力の向上など、まったく新しい機能が可能になります。このような技術の進歩に伴い、これらの電子機器を保護し一体化するための、特殊でコンパクト、かつ生体適合性に優れた新しいタイプのパッケージングソリューションが必要とされています。家電における広範な環境配慮の動きは、持続可能な材料の使用にも重点を置くようになりました。
結論
エレクトロニックパッケージは、電子部品やデバイスを保護するだけでなく、その機能や性能を確保するためにも不可欠です。熱管理、電子接続、干渉低減、および構造的サポートを包括するエレクトロニクスパッケージは、効率的で信頼性が高く、幅広い産業に適したデバイスを実現します。電子機器がますます日常生活に取り入れられるようになるにつれて、パッケージングソリューションは、性能の向上、コンパクト化、持続可能性へのニーズに適応し続けます。
著者:Robert Hettler、オプトエレクトロニクス研究開発責任者
参考文献
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